2019国際ロボット展のAI関連の展示を観てきました

こんにちは! うしじです。

最近は、空いた時間にCoursera Machine Learningの講義内容のまとめを行っていたのですが、なかなか時間が掛かってしまい、気分転換に別の記事を書いてみたいと思います。

 

AIの適用分野として、個人的に興味を持っているのが、産業用ロボットです。2019国際ロボット展(iREX)を観てきたので、AIを用いた展示をいくつか紹介したいと思います。

2019国際ロボット展 特集 | 日刊工業新聞電子版

 

国際ロボット展を観に行くにあたり、興味があったのが、下記のAI関連企業の3社。

PFNさん、Exawizardsさんは日本の有名なAI企業ですが、OSAROさんはアメリカの企業です。この3社に加えて、見ていて面白そうだった、安川電機さんの展示について紹介したいと思います。

 

 

PFN

PFNさんは、Fanucさんと提携しており、Fanucさんのブースで展示を観ることができました。今回展示されていたのは、取り出し位置教示による深層学習バラ積み取出し、AI良品判定の2つです。

取り出し位置教示による深層学習バラ積み取出し

PFN-FANUC_取り出し位置教示による深層学習バラ積み取出し

こちらの展示は、おそらく、PFNさんが下記のブログで記載されている内容の展示だと思われます。取出したい対象物の位置を3Dカメラで認識し、ロボットで吸着しに行きます。ここで、吸着に成功したか否かのデータを取っておき、そのデータを用いて教師あり学習で取出しをどんどん改善していくようです。

深層学習でバラ積みロボットの0から学習 | Preferred Networks Research & Development

 

AI良品判定

PFN-FANUC_AI良品判定

こちらは、下記の記事で記載されているものの展示です。OKとNGの画像が数枚〜数十枚あれば学習できるらしいです。どのようにやっているんでしょうね。

機械学習・深層学習を活用したファナックのAI新機能 | 株式会社Preferred Networks

 

Exawizards

Exawizardsさんは、マルチモーダルAI COREVERYを展示されていました。人が手でロボットを動かし、それを学習データとして収集、収集したデータからAIモデルを生成し、粉体や液体の秤量、サラダ等の盛り付け、タオルの折りたたみ等に利用できるそうです。また生成したAIモデルを追加の学習データを用いて再学習を行うことも可能とのこと。従来ロボットで対応することが難しかった作業を、人が簡単に教えられるようになると、ロボットの活用の幅が広がりそうですね。

COREVERY - AIの力で、ロボットに知能を-

 

Exawizards COREVERY


 

OSARO

OSAROさんは、デンソーウェーブさんのブースで、OSARO Visionの新機能、オリエンテーションチェッカの展示を行っていました。認識が難しい透明なものを認識し、ピッキングすることが可能で、今回さらに、対象物の方向も認識できるようになったそうです。

把持物体の方向をAIで自動検出。OSARO、2019 国際ロボット展にてOSARO Visionの新機能「オリエンテーションチェッカ」を初お披露目。

OSARO Vision


 

安川電機

安川電機さんのブースでは、AIとデジタル環境の活用によるバラ積みピッキングが展示されていました。

YASKAWA バラ積みピッキング

安川電機さんのAIで面白いなと思ったのが、教師データの生成方法。シミュレータの中で対象物のバラ積みの様子を生成するのですが、実世界とシミュレータの差を埋めるために、シミュレータのデータを実世界のデータのように変換しています。GANか何かの技術でしょうか。

YASKAWA データ生成


 

まとめ

今回、iREXのAI関連の展示を観てみて、各社、データの準備方法を工夫してるなと思いました。ロボット自身の行動の結果をデータとして残したり、人の行動をもとにデータを作成したり、シミュレータを用いてさらに現実に近づけたり。やはりAIを開発する上で、いかにデータを準備するかが重要ですね。

また、本記事で紹介した以外にも、外観検査やピッキング向け等の様々なAIが展示されていました。他企業含め、機会があれば継続的にチェックしていきたいと思います。